やあ!ボクサーマネキンだよ。
ブログチャレンジに小説を書くってのがあるので、書いてみたよ。
新聞が止まる日
私は新聞が好きだ。
ネットの方が情報は早いし、いろんな情報がある。
それでも新聞を読むのは、便利だからだ。
パラパラとめくれば、情報が自然に頭に入ってくる。見出しに重要な内容が、短い言葉で盛り込まれてるからだ。
ネットニュースにもタイトルはあるが、煽りが多くて内容が正確に把握できない。
やはり新聞がいい。
郵便受けに新聞をとりにいく。毎朝の習慣だ。出勤前の一時間、これで世の中を把握する。
大きいニュースから小さい記事、すべてを眺める。頭に入れておくと、そこから話が広がって商談に結びつくことがある。大事な時間だ。
ところが今朝は新聞が来ていない。
人のやることだから、配り忘れもある。新聞販売店に連絡すれば持ってきてもらえるが、出勤までに来るかはわからない。
残念だが、今日くらいはいいだろう。
新聞販売店には電話せず、ニュースはスマホで見ることにした。
慣れないせいか、見ずらい。
やはり新聞がいい。
次の日。また新聞が来ていなかった。
さすがにこれはない。こっちは金を払っている。ちゃんと届けてもらわないと。
新聞販売店に電話をする。
話中だ。
五分ほど待ち再び電話をする。
出ない。30コールは鳴らしただろうか。諦めて電話を切る。
何をしてるんだ。電話くらいさっさと出ろ。
時計を見る。
少し早いが出勤することにした。あとで新聞社のほうへ苦情の電話を入れよう。
今日もニュースはスマホか。
会社に着いてから、新聞社の方へ電話した。購読者用のフリーダイヤルだ。
「はい、朝読新聞社購読フリーダイヤルです」
繋がった。新聞が二日連続で来てないこと、販売店に電話をしても繋がらないことを伝える。
「申し訳ございません。ご住所とお名前をいただけますか」
慣れた対応だ。よくあるのだろう。住所と名前を告げる。
「少々お待ちください」
電話の向こうが慌ただしい。
「お客様、大変申し訳ありません。できるだけ早くお届けいたします。念のため電話番号を頂戴してよろしいでしょうか」
電話番号を教えて電話を切った。家に帰れば、新聞が届いているだろう。
郵便受けを見る。まだ新聞が届いていない。
新聞社に電話したのは午前九時三十分。今は午後七時。かなり時間がたっている。
さすがに腹がたってきた。
販売店に電話をする。
「朝読新聞です」
「何度電話すれば新聞が届くんですか!いい加減にしてください」
声を荒らげる。
「申し訳ありません。実は、販売店の店主が倒れた関係で配達が間に合っておりません。新聞社のほうからも応援に来てもらってるのですが…」
なんとなく事情が飲み込めてきた。
「どういうことですか?」
好奇心が怒りを消した。
どの業界も人手不足だ。新聞配達員も例外ではない。
働きやすく、給料の高い業種に人は流れていく。休みがなく、給料が安い新聞配達員は人気がない。
配達員の給料を良くしようと思っても、部数減で収入が減り、給料が上げられないない。人がこないから休みも作れない。
配達員はどんどん辞めていく。
それでも新聞は発行される。読者は待ってくれない。
店主は自ら、かなりの部数を配っていたそうだ。
だが限界がきた。心身ともに疲れ切った店主は…失踪した。
そう、倒れたのではなく、失踪したのだ。
電話の応対をしていた販売店の店員が、泣きそうな声で真実を話した。
新聞はまだ届かない。
良く眠った。気持ちのいい朝だ。身支度をして家を出る。
郵便受けに新聞が届いていた。お詫びのチラシが添えてある。今日から通常態勢で新聞が配達されるそうだ。
手にとって家の中へ投げ込む。心なしか新聞は湿っていた。
会社へ行ったら、新聞社のフリーダイヤルに解約の電話をしよう。
スマホを片手に駅へ急いだ。
あとがき
どうだったかな?
急いで書いたので、文章のおかしいところや、矛盾もあるかもしれない。
ブコメで感想待ってるよ!
それじゃ、また次回!
ヨロシク頼むよ。