やあ!ボクサーマネキンだよ。
今日はボクシングジム体験記の第二話、ファイティングポーズを習うところまでだよ。
前回までのあらすじ
新聞に折り込まれていたボクシングジム体験会のチラシ。
チラシに載ってたお姉ちゃんに心惹かれたマネキンは、心ときめかせジムに向かった。
受付
ジムの扉を開けると、そこには男が二人いた。
一人はいかつい感じの、一人はさわやかな感じ。
「いらっしゃいませ〜。最初に名前を書いてください」
さわやかな感じの人が案内する。
「トレーナーのMです。よろしくお願いします。今までボクシングの経験は?」
まったくないと答える。
「大丈夫ですよ〜女の子もやってるし、みんな楽しんでやってますよ〜」
そう!女の子だ。 ジムをみわたすと、誰もいない。
「一番のりですね〜」
オープンと同時に来たのは、失敗だったようだ。
準備運動
荷物を更衣室に置きジムに戻ると、いかつい人が近寄ってきた。
「準備運動しましょう。トレーナーのOです」
いきなり指導が始まった。
首を動かし、膝の屈伸、膝回し、肩を伸ばし、アキレス腱を伸ばす。
よくある準備運動だ。
「じゃあ、鏡の前へ行ってください」
拳を握る
今度はM氏の番だ。
「じゃあ、拳の握り方から」
「手を開いてください。それで親指以外の指を握ってから、親指を外側にして握る」
「そうそう。上手上手」
(誰でもできる動作を、ここまで褒めるのか)
あきらかなお世辞に、どう反応していいかわからないマネキンだった。
ファイティングポーズ
「じゃあ次はファイティングポーズ、構え方です。右利きですよね?」
うなずくマネキン。
「鏡の方を向いてください」
「足を肩幅に開いて」
「右足を一歩後ろへ」
「斜め45度を向いてください」
「顔だけ正面を向いて」
「膝を軽く曲げて」
「左手を目の高さへ」
「右手を顎の高さへ」
「そうそう!かっこいい!上手上手」
「何かやっておられました?」
あいかわらず褒めまくる。 マネキンは、だんだんその気になってきた。
チラシの効果は
まだマネキンの他に、客はいないようだ。
(チラシ出したのに気の毒だなぁ)
二対一の指導で、手厚いといえば手厚いが、寂しさを覚える。
そんなことはおかまいなしに、指導は続く。
「じゃあ次はジャブいきますか」
次回予告
簡単そうに見えて難しいワンツー。
シャドウボクシングに息が上がる。
お姉ちゃんどころではなくなっていくマネキン。
次回「ボクシングジム体験記(3)~シャドウ無の境地へ(仮題)」
掲載日時未定。
それでは、また次回!ヨロシク頼むよ。